弓道部にはお金がかかるって本当?高校・中学の弓道部の費用事情を解説します
的を矢で射抜く「弓道」。
運動神経よりも集中力が大事なスポーツということで初心者でも取り組みやすく、袴が着られるということもあって男女問わず人気を集めています。
中学・高校に「弓道部」が存在したらそのカッコよさが故に入部したいと思う人も多いでしょう。
しかし、弓道部においてはどのくらいの費用がかかるのか心配な方も多いと思います。
そこで、この記事では弓道部の費用事情について解説します。
ぜひ参考にしてみてください。
目次
そもそも弓道の魅力はなに?
弓道部の費用は総額いくら?
道具の費用はどのくらいかかる?
借りることができる道具は何がある?
弓道部の検定や遠征費などのその他にかかる費用はどのくらい?
【まとめ】弓道部の費用は3年間で10万円!
そもそも弓道の魅力はなに?
本題に入る前にまず弓道の魅力について改めて紹介します。
弓道の魅力は?
弓道は日本の伝統文化の一つであり、立っている場所から28m先にある直系36cmの的を狙って矢を放ち、的中を目指します。
弓道においては射場に入って所定の場所で足を開いてから矢を放った後までの一連の流れを「射法八節」と呼び、この最後の段階である「残心/残身(ざんしん)」において今の自身の動作がどうだったのかという一連の振り返りを行います。そして「もう少し右手に力を入れた方が良かった」と考えたら次の動作に活かすことができるのです。
このように弓道は絶えず動作の振り返りを行い、ズレが起きないように高い集中力をもって行うスポーツであるため、自己内省や集中力を養うことができます。
また、改善を行えば行うほど、如実に的中率も上がっていきますし、的中した際の音もいいため、自身の上達の成果を感じられるという点で非常に楽しく行えるスポーツです。
弓道部の活動内容は?
中学・高校に弓道場があるのかにもよりますが、弓道部の練習は基本的にはどこにおいてもひたすら弓を引くことが多いです。
弓道は人と勝負を行うのではなく己の能力をどこまで引き出せるのかといういわば対自分のスポーツなので、自分自身と向き合い精神力を鍛えます。
弓道を始める際には、まずは基本動作である射法八節を弓だけを持って練習します。
覚えたら、「ゴム弓」という弦がゴムでできた簡易的な弓を使って一連の流れを練習したり、慣れたら矢をつがえずに実際の弓を引いたりして身体で動きを覚え、そして腕の必要な筋肉を鍛えます。その後巻き藁に向けて近距離から練習用の矢を射る練習をし、基本の形ができたらいよいよ本物の的へ向けて矢を射るというのが大まかな練習の流れです。
また、並行して射場における入退場の一連の流れも練習します。弓道の作法は矢を射る順番や弓の持ち方や歩き方、そして弦が切れてしまった際の対処方法など慣れないうちは戸惑ってしまう作法が多いので、初心者のうちは弓を実際に持つなどして作法も練習していきます。
一連の流れができるようになれば、あとは自分と向き合い再び弓を引き修練を重ねていきます。
弓道部の費用は総額いくら?
それでは弓道部の費用は実際にどのくらいかかるのでしょうか。
弓道部の費用としては、弓を購入するのかどうかによって費用が大きく異なります。
弓を購入しない場合は、試合や合宿の頻度、弓道場が学校についているのかによっても異なりますが、3年間でおよそ10万円がかかります。
弓を購入する場合には、さらに2万5千円から4万円程度がかかるでしょう。
初期費用としては、4万ほどがかかります。
道具の費用はどのくらいかかる?
初期費用はほとんどが道具を揃えるのに必要な費用です。
それではどのような道具にどのくらいのお金がかかるのでしょうか。
以下にまとめました。
ゴム弓:約3,000円
弓道初心者が射法八節などの基本の動作を身に付けるのに必要不可欠なのが「ゴム弓」。
実際に弓が引けるようになってからも、弓が手元にない時の動作確認やスランプに陥った際のリハビリとしても使う、無くてはならないアイテムです。
こちらは大体3,000円前後で購入することができます。
弓道用鹿革製手袋(かけ)・下がけ:約20,000円
「ゆがけ(弓懸、弽、韘)」とも呼称する、右手にはめる鹿革製の手袋上のものです。
弓は左手に素手で持つのですが、かけは右手にはめ、弦を親指の根に掛けて引き絞る際に固い弦から親指を保護してくれる道具です。価格は20,000円前後ほど。
弓道部によっては貸与してもらえますが、基本的には新品で購入することが多いでしょう。
また、かけの下には「下がけ」という薄い布手袋を付けます。かけは湿気に弱いため、かけを汗から守るためにこの下がけをつける必要があるのです。下がけには様々な模様のものがあり、好みに合わせて選べます。下がけは200円前後ほどで、洗うことも考えると2,3枚は購入しておくとよいでしょう。
道着などの衣類:約15,000円
弓道の道着は「袴」と言い、剣道で着るものに似ています。
袴以外にも大会で着用するものは以下のものがあります。
・袴(12,000円程度)
・足袋(1,000~2,000円程度)
・胸当て(1.000円程度)
足袋は汚れやすいので2、3対用意しておくと良いでしょう。
また、女性や大柄な男性は胸当てを購入する必要がある点にも注意しておきましょう。
巻き藁矢:約1,500~3,000円
巻き藁に向かって矢を放つ際には、羽が付いていない矢である「巻き藁矢」を使います。
巻き藁矢は1本1,500~3,000円程します。
基本的には1本持っているだけで間に合うでしょう。段々に弓道に慣れていって、弓道場に行く際に矢筒に入れ直すのが面倒くさい、という場合には2本買っておくことをおすすめします。
的前用矢(6本セット):約15,000~50,000円
羽が付いている、正式な的の前で射る矢を指します。矢は基本的に6本セットで売っており、材質によってもマチマチですが、15,000~50,000円程度がかかります。
射場に入る際には4本の矢を持っていくため、2本は予備となります。使っていくうちに羽が傷んで見栄えが悪くなるため、買い替えを検討しなくてはいけないこともあるでしょう。しかし、3年間買い替えをしなくても矢がもつ場合もあるため、あまり心配しなくても大丈夫です。
矢筒:約3,000円
矢を入れる収納ケースを指します。巻き藁矢と的前用矢を全てコンパクトに収納することができます。パステルカラーやシックな単色カラーなど、おしゃれなカラーがたくさんあります。
しかし、練習時に他の人の矢筒と共に置く機会が多いからこそ、他の人と同じ色の矢筒にすると誰のものなのかわからなくなってしまうことがよくあります。被らないようにするか、キーホルダーを付けるなどして自分のものであることを一目で判別できるように工夫することをおすすめします。
弓:25,000円~
弓は多くの部活で貸し出しを行っているため、購入することは少ないでしょう。
しかし、もしも自分で用意する場合には最低でも2,5000円以上がかかるでしょう。弓は高いものですと10万円以上しますが、全国大会に行っている方でも安い弓を使っている方が多いため、値段にこだわることはありません。
自分の予算に合った引きやすい弓を選びましょう。
弓道指南書:1,200円~
弓道本は部活で買うことを勧められる場合もありますが、部活全体で共有している本を見ることもできるため、必ずしも無理に購入する必要はありません。
ただし、丁寧に射法八節のポイントや作法の説明が書いてあるため、普段の練習は勿論、検定を受ける際の筆記試験対策としても役立つでしょう。
可能であれば1冊は購入することをおすすめします。
借りることができる道具は何がある?
弓道に必要な道具は様々なものがあります。
それら全てを用意しようとすると多大な費用がかかるため、入部を躊躇ってしまう方も多いと思います。
しかし、部活においては弓の貸し出しを行っているところがほとんどです。
弓には強さというものがあり、その単位はキロ数で表します。まだ力が弱い始めたての頃は弱い弓を使い、慣れて力がついてきたら徐々に強い弓に切り替えていくことが多いです。
このようにずっと同じ弓を使うことはほとんどないため、弓道部においては学校や道場に置いている弓を皆で共有して使うことが多いのです。
また学校によってはかけや矢などの貸出を行っていることもあります。
どれくらいの道具を用意する必要があるのかは各学校の部活に直接問い合わせを行うと良いでしょう。
弓道部の検定や遠征費などのその他にかかる費用はどのくらい?
弓道部には1級や初段などの級位や段位が存在します。
受験は任意であることが多いですが、もし受験するとなった場合には認定試験の受験が必要です。
認定試験は筆記試験と実技試験からなり、作法を理解し実行できているのかといった点が評価基準となります。費用にかかる費用は審査料と登録料の2種類が存在し、合格した場合のみ登録料がかかります。
5~1級までの級位は審査料が1,030円、合格した場合には登録料として1,030円かかります。初段が審査料2,050円と登録料3,100円、弐段は審査料3,100円と登録料4,100円と段が上がるにつれて費用も高価になっていきます。
ただ、高校生までに取れる段位は弐段までであり、それ以上の段が取れる人は非常に優秀と言えるでしょう。
また、遠征費としては学校にもよりますが、3,000~4,000円ほどかかるでしょう。また部費は1ヶ月に600円ほどかかる弓道部が多いため、1年間で7,200円程度を想定しておくといいでしょう。
【まとめ】弓道部の費用は3年間で10万円!
いかがだったでしょうか。
この記事では弓道の魅力や弓道部で使う道具や検定などの活動にかかる費用について解説しました。
弓道部では3年間で10万円程度かかります。
1年間当たりで考えると3万円程度です。他の部活と比較すると少し高いかもしれませんが、その分集中力アップや不断の内省と改善を行う習慣などが身に付く力があります。
行う価値は十分にあると言えますので、やってみたいと少しでも思うのでしたら、ぜひチャレンジしてみることをおすすめします。
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